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START 〜ヤブキタカユキ COLUMN〜

気が付けばと云うか、気が付いていたけど、なんだかんだと35年間人生を歩んで来た。
色々あったような気がするし、でも数えるぐらいしか何もなかったような気もするし。
人の人生なんてどうなのか分からないけれど、まぁ、人も色々あるんでしょうなぁ。
高校を卒業して東京に来てから今年で18年になる。
地元で暮らしていた年数と、とうとう同じになった。
今では地元が東京の人より東京が詳しくなり、我ながらすっかり東京人だと思う。
最初知り合いもいなかったのにくらべて、今では故郷岡山より完全に多くなってしまった。
携帯電話の登録件数のほとんどが東京で知り合った人達だ。
色んな人と知り合ったなぁ。
登録を見ていて「こいつ誰だっけ」ってたまにある。
最近使っている携帯が登録メモリー1000件なので気にしていないが、1年程前、当時使っていたものが500件だったので、500件目にさしかかるろうとする時、『過去に知り合ったけど今は連絡してねぇな的』人の番号を消去するのがマイブームだった。『今日は8人消してやったぜ』みたいな。消去したぐらいだから誰を消したのなんて当然思い出せません。『今頃何やってんだろーなー』も当然ありません。
人はどうだろう。こんなことしてるのかな。500件になりました。8件消去します。空きました。じゃあ新たに入れましょ。って。

今から10年前、26の時に「20年前だと6歳かぁ。まだちっちゃいなあ」と思っていたけど、今だと20前でも15、16歳だからね。立派な人ですよ、人。恋する年頃ですよ。そりゃ髪型気にしますよ。
人はどうだろう。もう一度15歳のあの頃に戻りたかったりするのかなぁ。戻りたくないけど、とうまきで眺めてみたい気はするけど。

15、16歳頃音楽をはじめました。ヤンキーまがいの(笑)多田保典(親友)とクラスが一緒になって、家に行くとなんだかごっついエレキギターがあって、いきなりバーっと早弾きされた記憶があります。
で、彼が弾かなくなった地味〜なエレキギターとアンプとエフェクター2個のセットを8000円で買って練習したんだけど『F』が何度やっても弾けなくてあきらめかけて部屋の端っこにほったらかすこと3日。なんとなくもう一度弾いてみるとあら不思議、あの『F』が弾けるじゃありませんか。不思議な感覚でした。今でもよく覚えています。
人はどうだろう。こんな感じでギターって弾けるようになってないかな。
ちなみにこのギター今でもしっかり弾いております。現役です。こいつで曲も書いてます。フェンダーのシンラインのレプリカです。アンプもフェンダーで、エフェクターはボスのスーパーディストーションとノイズサプレッサーです。こちらもちゃんと今でも一緒に住んでおります。

季節の変わり目の匂いとかで胸がキュンとする事もありますね。
それに関してはやはり全て上京したての1年目の匂いがいまだに残っているんでしょうね。
中野区野方環七付近の匂い。
密集した住宅、路地から見える生活感、排気ガスとコンビニと歩道橋。この条件が揃った場所に行くと今でも涙が出そうになります。
最近当時住んでいた場所に行きました。あれから18年経っているのにいまだに当時と同じボロさでした。その現状維持感はいらんだろ!でも逆に考えると、凄いね(笑) 
人はどうだろう。『フローラル』って匂いの種類にノスタルジーを感じたりしてないだろうか。

35年の間、色んな場所にも行きました。
日本各所。アメリカ等。最初にNYに行った時の事は凄く思い出に残っています。ボストンから車で南下して確かブルックリンブリッジ、もしくはウィリアムズバーグブリッジを渡ってマンハッタンに入る時の夜景は未だに忘れる事は出来ません。
東京で云うなら、千葉方面からレインボーブリッジを渡る時の、右手に見えるあの夜景。似てると思いますが、いかがでしょう。その後何度かNYに足を運びました。色々な事を教えてくれた場所です。
バンドで最初にツアーに出た時の事も忘れられないなぁ。一番最初は確か、名古屋かな。ハックフィンってライブハウスです。宿がそのライブハウスの上にあってとにかく安い。一人素泊まり1500円だった気がする。
又泊まりてーなー。ってもういいです。(その時代マンガ喫茶とかなくて、今考えればマン喫のほうが良くて安いか?)
0からの18年間と19からの18年間との違いは、己の行動範囲の違い。その昔、学区をまたぐのが冒険でしたよね。その頃から比べると色んな意味で様々な境界線をまたぎました。
人はどうだろう。アメリカの日本食料理屋に入って、日本語が通じなくて『OYAKODON』を頼んだらニンジンが入っていて、しかもダシもきいてなかったりして1/3食べて残して、その後、バーガーキングに行っておなかいっぱいにした事ないかなぁ。

音楽を通じて色んな事を学んだ気がします。
『イケテル』『イケテナイ』と云う感覚を一番最初に意識したのも音楽でした。
音楽が鳴っていない所でも、この感覚を求めたりしました。いまだにこの基準で物事を考えたりしてます。
ある人、あるモノを『かっこいいな』と感じると、その人、そのモノが音楽を望む望まないに関わらず、勝手に自分の中で音楽的な事に結び付けていたりします。基本的に面倒くさい思考だと自分でも思うのですが、こうなんだから仕方ありませんね。
人はどうだろう。『イケテナイ』モノと『ダサイ』モノとの違いって考えたりするのだろうか。

この先も出来れば色んな経験をして、様々な人達に出逢って、音楽とともに人生を歩んで行きたいと思う。

ここで能書きをひとつ。

本当に素晴らしい一日と云うのは、好い事と悪い事がある日の事を云うのです。
ならば、星が輝いて見えるのは、あなたが輝いているからですよ。

皆に会えて本当に感謝しているよ。これから出会う人達も、どうぞ宜しく。

矢吹孝之

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